アジアは引き続きチリの主要な豚肉輸出先に
2020年前期、チリの豚肉の主な輸出先はこれまで同様アジアで、全体の88%を占めている。中でも日本と韓国はチリポークにとって金額ベースで一番大きなマーケットと言える。 チリがこれまで日本や韓国と培ってきた関係性はチリと各 […]
2020年前期、チリの豚肉の主な輸出先はこれまで同様アジアで、全体の88%を占めている。中でも日本と韓国はチリポークにとって金額ベースで一番大きなマーケットと言える。
チリがこれまで日本や韓国と培ってきた関係性はチリと各国政府の相互信頼に基づいており、これによって政府レベル、業界レベルともに「戦略的パートナー」という関係を結ぶことを可能にしている。
さらにチリ輸出振興局プロチレ(ProChile)によるセクターごとのブランディング・プログラム・サポートのおかげでチリポークは輸出企業である4社 –アーサ、アグロスーパー、コエクサ、マックスアグロと共に韓国では2006年から、日本では2007年からプロモーション活動を行っている。
チリ外務省国際経済関係総局のデータによるとチリと日本は友好 通商航海条約
を締結してから123年経っており、2カ国の外交関係はここからはじまった。その後2007年に発効された日本・チリ経済連携協定(EPA)はさらに関係を後押しし、貿易によって両国に利益をもたらしている。ここ3年、日本はチリの輸出先として第3位、貿易全体の6.3%を占めている。2019年の両国の貿易額合計は88億ドルに達している。
韓国についてはチリがFTAを結んだのは16年前。当時ラテンアメリカの国がアジアの国とFTAを結んだことはなかった。韓国は中国、アメリカ、日本、ブラジルに続く第5位の輸出先で、貨物量では第4位に当たります。2019年のチリー韓国間の貿易は61億米ドルに達した。チリから韓国への輸出は昨年、これまでで最高額を記録している。
今年の3月の新型コロナウィルス感染拡大に伴い、白豚業界では新型コロナや他の病原感染のリスクを軽減するために新しい様式と安全に関するプロトコルを確立した。これまで業界では従業員の健康を守りながら生産工程を通して感染のリスクを避け、国内外への供給を続けている。
先日15日に行われたチリポークのオンラインセミナーの中で、チリ食肉輸出協会(ChileCarne)のホアン・カルロス・ドミンゲス会長は感染拡大に直面した業界の対策について、特に従業員の健康を守ることを重要視していることを強調した。新型コロナウィルスに業界が直面した状況についてふれつつ、「もともと輸出に力を入れているセクターであったことから、特に健康や安全、高いバイオセキュリティー基準の意識があったからこそ新型コロナウィルスにも対応することができました。3月のはじめ、業界では、現時点の対策でも十分と考えつつも予防策と対応策を強化しておいた方がよいと考えました。設備内にとどまらず範囲を広げ、例えば通勤など施設への出入り、一般エリアなどについても危険となりえるポイントを検証、強化しました。」と話し、「6ヶ月経った今でもチリ、そして豚肉生産セクターはワールドクラスの食品をお届けすることができる状態にあると胸を張っていうことができます。」とドミンゲス会長は話している。
チリ税関のデータによると、今年1月から6月までのアジア地域への豚肉の輸出は197,000トン(枝肉ベース)、金額で3億8千万米ドル(FOB)。うち日本はチリの金額ベースにおける輸出先第3位で輸出量は18,000トン(枝肉ベース)、金額で5,600万米ドル(FOB)。一方韓国は第2位で21,000トン(枝肉ベース)、5,800万米ドル(FOB)となっている。
チリが輸出大国と呼ばれるまで
チリは品質の高い輸出国として知られている。人口1,900万というこの小さな国は30年前に世界に向けて動き出し、食品生産・輸出に力を入れてきた。現在チリは生鮮果物とサーモンの輸出国として世界1位、くるみの輸出では3位、ワインでは4位、そして豚肉では世界第6位の輸出額を誇っている。
チリはこれまで順調に輸出を伸ばしており、この10年間では60%の成長を遂げている。これらの数字はチリが90年代に決めた経済政策の結果であり、政府の努力によって結ばれた65の国や地域との29にのぼる貿易協定のおかげであると言えよう。これは世界全人口の67%、GDPの88%以上をカバーする規模に相当する。
豚肉業界については官民が合同で取り組み、生産・輸出企業が努力を重ねたことにより、現在60以上の市場への輸出が認められている。
チリの生産基準の高さは世界に認められています
チリポークの顧客は「チリの豚肉」について、高いバイオセキュリティー基準、信頼できるパートナー、持続可能なシステム、などという言葉と結びついて記憶しているだろう。業界団体は生産モデルの確立によってその信頼を確固たるものにしている。
チリの豚肉業界は垂直統合戦略を取り入れており、チリポーク協会の各企業は飼料生産から家畜生産農場、と畜、加工、流通と各商品のマーケティング、そして最終的に消費者に渡るまで全ての生産チェーンを管理している。このため消費者に高い品質を誇る安心・安全な商品を届けていると自信をもって言えるのである。
国際基準に準拠するため、生産工程のあらゆる場面で健康監視プログラムが行われている。チリ農牧庁(SAG)の定めたプログラムは世界の健康関連機関に認められている。プログラムは消費者を化学的、生物的危険から守ることを目的とし、常に厳しいモニタリングと管理プログラムが生産チェーンのあらゆるポイントで目を光らせている。農場では国際的にも打撃を受けているアフリカ豚熱(ASF)などの病気の侵入を防ぐプログラムがあり、またと畜場でも微生物学的指標プログラムがあり、多岐にわたる厳しい国際規制への対応を可能にしている。