インドネシアにおけるチリポーク:今後数年間、チリが注力すべき重要な市場
チリカルネ会長で、SOFOFAのチリ–インドネシア経済会議議長であるフアン・カルロス・ドミンゲスは、東南アジア諸国連合(ASEAN)当局と面談し、インドネシア商工会議所(KADIN)の代表者と共に、チリ […]
チリカルネ会長で、SOFOFAのチリ–インドネシア経済会議議長であるフアン・カルロス・ドミンゲスは、東南アジア諸国連合(ASEAN)当局と面談し、インドネシア商工会議所(KADIN)の代表者と共に、チリ–インドネシア経済会議の第1回会合を開催するため、インドネシアを訪問した。チリの代表団を率いたのは、チリ共和国前大統領のエドゥアルド・フレイ・ルイス–タグレである。
インドネシア訪問の中で、チリ-インドネシア経済会議の第1回会合が開催された。世界の様々な国でチリ産豚肉の業界ブランドとして知られるチリポークを代表する協会チリカルネ会長で、SOFOFA理事でもある同経済会議チリ担当議長のフアン・カルロス・ドミンゲスは、この第1回会合が活動的で確固たる経済団体を創設するという共通のコミットメントの象徴であると強調した。
「ここジャカルタでの会合は、単に2つの経済団体の会議ではありません。それぞれ豊かな文化とポテンシャルを有する両国間のビジネス・ネットワークの創設を意味しているのです。チリとインドネシアは、大きな距離によって隔てられているものの、成長やイノベーション、持続可能な開発を求めることでは結びついています。両国間の通商関係は、盛んになってはいるものの、まだすべての可能性を開拓し尽くした訳ではありません。それこそが、本日ここで探求しようとしていることなのです」とコメントした。
「2億8,000万人の人口を擁し、ここ20年間およそ5%の年間成長率を保つインドネシアは、経済面でさらなる重要性を持つ国の一つとして確固たる地位を築いており、チリが今後数年間注力すべきところとなっています」と付け加えた。
インドネシアは、チリの豚肉輸出企業にとって、ポテンシャルの面で非常に重要な市場として浮上している。世界で人口第4位の国であり、首都ジャカルタに人口が密集しているものの、このアジアの国は、チリの輸出企業にとって、チャンスと共に課題も提起する独特の特徴を有している。
この国は、人口の87.5%がイスラム教を信仰するイスラム教徒が支配的な国で、豚肉の消費は限られている。しかしながら、人口の10%に相当する2,800万人近くの消費者がキリスト教徒であり、また、西洋的消費習慣を持つ観光客も増えていることから、豚肉製品にとってはニッチな市場を生み出している。
インドネシアの購買力は多様である。年間1人当たりの国民所得は3,800ユーロと控え目ではあるものの、高い購買力を有する市場階層が存在する。また、インドネシアは、年間1,400万から1,700万人の観光客を受け入れており、以前は地元の小さな店が主流だったHORECA業界に変化をもたらしている。このことは、高品質な豚肉製品の需要を後押しするものであるだろう。
インドネシアにおける食肉の消費量は比較的低く、年間1人当たりの豚肉消費量は、1.1キロから1.4キロとなっている。このため、インドネシアは、アジアの中でもっとも発展していない豚肉市場の一つとなっている。ここ数年、増加する産業的および商業的需要をカバーするために商業的な農場が出現してきたものの、この国の養豚の大半は、小さな農場で行われている。
2019年12月に、インドネシアでアフリカ豚熱が発生した時には、深刻な問題となり、国内生産に影響を及ぼした。それにも関わらず、豚肉生産は、継続的増加のための政府支援計画により、2012年から2021年の間に25%の伸びを示した。
インドネシアは、2021年、3,250トンの豚肉および豚肉製品を輸入した。その主な供給国は、中国、デンマーク、スペイン、米国である。チリの輸出は、とりわけ今後可能性のあるEU-インドネシア自由貿易協定の一環で、この市場の一部を獲得する可能性を有している。
インドネシアへ輸出するには、チリの施設が、監査と公的認可を受ける他、ヨーロッパの公衆衛生および動物福祉の規準を履行することが求められる。こうした規制は、インドネシア市場によって求められる品質と安全性の基準の履行を保証するものである。
フアン・カルロス・ドミンゲスは、貿易ポテンシャルを全面的に活用するのに障害となっている非関税障壁に取り組み、それを撤廃する重要性を述べ、両国間の2019年包括的経済連携協定(CEPA)発効を強調した。この協定は、相互理解と、チリおよびインドネシアの企業にとってチャンスをもたらす自由市場と公正な取引という環境について見解を共有していることの表れであると付け加えた。しかしながら、両団体の取り組みが協定の調印で終わるものではないことを明確にし、「トップの経済団体として、SOFOFAとKADINは、決定的な役割を担っています。私たちは、こうした障壁を特定し、それを克服するために効果的な戦略を策定するため、協力して取り組まなければなりません。それが、ジャカルタを訪問した目的の一つです」と指摘した。
結論として、豚肉にとってインドネシアの市場は、宗教的・文化的嗜好により課題がある一方、チリの輸出企業にとって成長のチャンスでもある。成功の秘訣は、この台頭する多様性に富んだ市場の複雑さを理解し、それに、適応していくことにある。