チリにおける豚肉のロジスティクス:バイセキュリティとトレーサビリティを備えた供給のキーポイント

2023年1月28日

食品産業、特に豚肉産業にとって、あらゆるプロセスにおけるバイオセキュリティ、製品の無害性、コールド・チェーンを保証することは、極めて重要である。こうしたすべては、製品の品質に直接的に影響を及ぼす。それゆえ、世界の様々な国 […]

食品産業、特に豚肉産業にとって、あらゆるプロセスにおけるバイオセキュリティ、製品の無害性、コールド・チェーンを保証することは、極めて重要である。こうしたすべては、製品の品質に直接的に影響を及ぼす。それゆえ、世界の様々な国でチリ産豚肉の業界ブランドとして知られているチリポークを代表する協会チリカルネの加盟企業は、チリおよび世界の相手先へ製品を届けるためのロジスティクスで、もっとも高い水準を保つよう努めている。

冷蔵であれ、冷凍であれ、豚肉の輸送には、人が消費するのに適しているよう、食品安全、無害性を保ち、製品を保存することが基本的なことである。このため、製品に悪影響を及ぼし得るいずれの問題をも避けるため、保管や輸送の条件を確かなものとすることが、極めて重要である。鍵となる段階や考慮すべき事柄をさらに詳細に知るため、チリポークから、コエクサ社とアグロスーパー社のプロセスを深く掘り下げる。

「当社の場合、垂直統合された企業であるため、段階は、当社家畜の飼料を製造するため穀物を輸送することから始まります。この後、農場へ餌を配送することが続き、そして、生産工場へ家畜を搬送することへとつながります。そして、いったん最終製品が出来上がると、チリおよび海外にある当社の配送センターへ輸送し、最終的に顧客へ納品して終了します。輸送の他、製品を保管し、受け入れ、発送するすべての連結点が加わります」と、アグロスーパーの輸送部長マリオ・アラベナは述べている。

一方、コエクサから、業務部長のカルロス・フロウシェク・ゴンサレスは、「製品の無害性、製造される施設(飼料工場)または加工される施設(生産工場)のバイオセキュリティ、そして、国内および海外市場で販売される肉のトレーサビリティを保証するためのあらゆる方策を維持することは恒常的な課題です。こうしたことは、チリや世界の家族が、栄養があって美味しく、バリエーションのある食事を楽しめるようにするためであり、そのために食品安全、サービス品質、環境への配慮のもっとも高い基準を履行しています」とコメントした。

コエクサ社が取得している認証には、ISO9001:2015品質規格がある。これは、同社が、製品とサービスの品質を管理し、改善するための実効的なシステムを可能にするすべて要素を保有していることを確認するものである。また、食品の無害性に関するBRC(英国小売協会)規格の認証も取得している。これは、世界で最も重要で厳しい食品安全基準の一つである。実際、そのすべての生産プロセスは、現在そして今後も無害な製品を市場に届けることを可能にしている。

特に指摘すべきこととして、ここ数年、ホワイトミート、特に豚肉について、新技術の導入により恩恵を受けたロジスティクスの側面や(または)段階があるということである。「船舶トラッキング・サービス、または、リアルタイムでデータ送信をする船積みコンテナ・センサーといった進歩により、食肉産業のロジスティクスは、より確実性を増すことができました。これは、より多くの情報を得て決定を下すことができるお蔭です。そして、こうした決定は、船舶および港で起こり得る可能性のあるシナリオを予測することに役立っています」と、マリオ・アラベナは述べている。

一方、コエクサでは、製品の輸送において、輸送手段のGPS装置の利用により、ルート追跡ロジスティクスが行われている。同時に、製品が輸送されているコンテナの温度をオンラインで知ることができる。よく似た技術は、工場から飼育センターへ餌を配送するためのトラックに利用されている。「相手先市場に関わらず、コールド・チェーンと無害性は、基本的なことです。運搬車両は、その位置や動きを把握するため、また、輸送されている製品の温度をオンラインで知るため、衛星追跡によりモニターされています」と、カルロス・フロウシェク・ゴンサレスは付け加えた。

ここまで見てきたことから、もし正しいロジスティクス・プロセスが自然災害、輸送業者のストライキなどのなんらかの外部要因により影響を受ける場合、企業として、ロジスティクス・チェーンの各段階で、影響を緩和しなければならない。「ストップされる最初のプロセスは、輸送と配送です。輸送される製品の寿命と状態に即時に影響します。二番目には、保管センターが影響を受けます。というのは、発送を待つ製品の渋滞が発生し始めるからです。これは、“チェーン”の中でその手前の方に影響を及ぼします。つまり、処理・加工、飼育、家畜の餌といったプロセスに影響が出るのです」と、アグロスーパーの輸送責任者は指摘している。

生産者から最終消費者までの食品の確実で完全なトレーサビリティを保証する点に関して、今回問い合わせた2社は、実施している徹底的な追跡がどんな内容なのかについて説明をしている。アグロスーパーの場合、製造される各製品について生産とトータル・トレーサビリティの管理、各段階における製品の無害性と温度の状態の恒常的なモニタリング、輸送と配送が行われる条件のトラッキング、配送センターでの保管と発送の物理的条件の管理を行っている。「こうしたすべての側面は、ロジスティクス・チェーンに関わる当事者たちがその努力を傾ける方法や、私たちの顧客が製品を食べる経験の感じ方に影響を与えます」と、アグロスーパーのマリオ・アラベナは強調している。

一方、コエクサにおいては、貨物のタイプ毎に社内で定めたプロトコルと手順がある。豚の餌の輸送の場合には、バランセアドス・コエクサ社の工場では、施設や様々な餌の生産・荷積プロセスにおいて厳しいバイオセキュリティ対策が取られている。そのため、コエクサの主要加工工場の製品同様、餌の全生産プロセスにおいてもトレーサビリティを保証している。家畜の輸送については、アグリコラ・コエクサ社およびその処理・加工工場は、家畜の輸送システムが含まれ、豚の運搬で適切な扱いを確保する厳しいプロセスが求められる動物福祉の認証を有している。「コエクサは、自社製品の厳格なトレーサビリティを保っています。プロセスのすべての段階おいて、ケース毎に飼育場からの豚肉の出所を特定することができます。コールド・チェーンは、最終的に顧客に納品するまで、製品の輸送において重要です。このことは、輸送において低温を保つための先進的システムとタイムリーな納品を守るロジスティクスを意味しています。あらためてもう一度、バリュー・チェーンのすべてのプロセスは、当社によって販売される様々な製品の品質を保証する認証を取得していることを指摘しておきたいと思います」と、コエクサの業務部長は強調した。

「豚肉の生産・輸出産業として、世界品質の製品を可能にするため、当初より、最高水準の衛生、無害性、バイオセキュリティにより生産をするという戦略の下、努力を重ねてきました。その中で、生産チェーンについてのトータルな管理のために、ロジスティクスのプロセスは鍵となるものです。協会加盟企業が行う活動から、飼料工場始め、養豚、処理・加工、各製品の販売、そして、最終的に顧客および消費者に、健康的で安全、無害、そして唯一の品質水準を有する、100%トレース可能な食品を届けるまで、責任を持って取り組んでいることが分かります」とチリカルネ会長フアン・カルロス・ドミンゲスは締めくくった。

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