チリの豚肉・家禽肉輸出セクターにとって重要なヨーロッパ連合(EU)の現代化協定

2024年7月22日

下院外務委員会におけるチリとヨーロッパ連合(EU)間の先進的枠組協定(AMA)と暫定通商協定(ACI)の最近の承認は、チリの輸出セクター、特に豚肉・家禽肉生産者にとって重要な画期的出来事である。2023年12月にブリュッ […]

下院外務委員会におけるチリとヨーロッパ連合(EU)間の先進的枠組協定(AMA)と暫定通商協定(ACI)の最近の承認は、チリの輸出セクター、特に豚肉・家禽肉生産者にとって重要な画期的出来事である。202312月にブリュッセルでこれらの協定が署名され、その後今年の2月に欧州議会で承認されたことは、2003年の連携協定にさかのぼるチリとEU間の通商関係にとって、新たな時代の幕開けとなった。

チリ・EU先進的枠組協定の現代化は、関税品目の94.7%から99.6%へと、関税が削減されるチリの製品を大幅に増やすことになるだろう。この前進は、生産セクターの中でも特に、豚肉・家禽肉セクターにとって恩恵をもたらすものであり、4億4,800万人の市場において競争力を高めることができる。関税削減は、この巨大な市場への輸出を助けるもので、チリの輸出業者にとって成長と拡大のチャンスが増えることになる。

国際経済関係次官のクラウディア・サンウエサは、下院外務委員会におけるチリとEUとの先進的枠組協定と暫定通商協定の承認を祝し、「この協定は、我が国の輸出セクターにとって大きな恩恵をもたらします。チリの製品にとって関税のメリットが拡大すると共に、我々の地域にとって主要な製品において、いくつかの原産地表示が認められることにもなります」とコメントした。

さらに、SUBREI当局は、チリからの上記市場への様々な食肉輸出割り当てが改善されることが、AMAに含まれていることを強調した。具体的には、豚肉・家禽肉に関して、豚肉の現行の関税割り当ては、10,800から19,800トンに増えることになり、除外されている1つの関税品目が加えられることになるだろう。一方、家禽肉の現行の関税割り当ては、合意の発効により、20,300から29,300トンに増えることになり、3年後には、38,300トンへと増やされる。この割り当てには、除外されている35の関税品目が加えられることになるだろう。

GDP18兆3,490億ドル(2023年)を有する世界第3位の経済圏であるEUは、チリに幅広い貿易の機会を提供した。AMAを通してEUとの貿易が深まることにより、チリの輸出セクターの経済的成長と発展にとって好ましい環境が生まれることになる。

チリカルネ会長のフアン・カルロス・ドミンゲスは、チリの豚肉・家禽肉生産・輸出セクターが、持続的な成長を示しており、2023年には、サーモン、生鮮果物、ワインに続く、第4位の食品輸出部門の地位を築いていることを強調している。AMAとACIは、EUへの豚肉・家禽肉輸出割り当てを増やし、この戦略的なポジションを強化することにつながる。

「2024年について、家禽肉の当初割り当ては、22,475トンで、割り当て外の関税は、100㎏当たり187~1,283€となるでしょう。豚肉の場合、当初割り当ては、11,850トンで、割り当て外の関税は、100㎏当たり467~869€でしょう。これらの割り当ては、以後数年で増えるように設計されており、欧州市場に、より多くのチリ製品を輸出できるようになります」と、チリカルネの会長は付け加えた。

2023年、チリは、1万4,415トンを輸出する、EUにとって第3位の豚肉供給国で、家禽肉については、73億2,500万€を輸出する第9位の供給国だった。EUとの通商協定の現代化は、割り当ての増加によってだけでなく、関税削減により、チリの製品の競争力を高めることになる。輸出に関わるコストを低減することになるからだ。

一方、AMAは、チリとEUとの経済・通商関係の主たる軸として持続可能な発展を定めている。これには、労働者の権利保護や環境保護が含まれている。つまり、豚肉・家禽肉のより責任ある、持続可能な生産が求められている。これらの基準に参加することは、ヨーロッパといった要求度の高い市場において、チリの製品に対する認識や評価を高めることになる。ヨーロッパの消費者は、持続可能性や社会的責任の高い基準を履行する製品を、益々高く評価するだろう。

協定にはまた、中小企業に向けた内容も含まれている。欧州市場に参入し、競争するために必要な情報や手段にアクセスしやすいようにしている。特定の情報や手段へのアクセスは、中小企業が、国際的な市場での競争力を高めることを可能にするものである。

さらに協定は、国際市場においてチリの製品の評判と品質を保つために基本的なことである、いくつかの原産地表示の認定も定めている。この認定は、製品がヨーロッパのような要求度の高い市場において付加価値や差別化を保つことができるようにするものだ。

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