ホセ・マヌエル・サンチェス・ビスカイノ獣医師：官民連携のサーベイランス方式はチリの豚肉生産業界には最適なやり方である

アフリカ豚熱用ワクチン開発プロジェクト（VACDIVAプロジェクト）の責任者であり、スペインのマドリード・コンプルテンセ大学獣医学部教授であるホセ・マヌエル・サンチェス・ビスカイノ氏は世界のアフリカ豚熱の現状に関して膨大な分析を行い、有効な予防策を挙げている。この中でサンチェス氏はチリの官民連携サーベイランスのシステムは特にある地域において感染拡大を防ぐのに有効だとしている。
「発生する前にできるだけ早く、そして最小限のコストで昔ながらのチェック体制でその芽を摘むことが 我々の目的です。」とサンチェス・ビスカイノ氏は話す。
「理想的なのは、２１世紀型の生産現場における、政府認定獣医と企業の獣医が一緒になって症候群サーベイランスとアクティブサーベイランスを組み合わせて行うことです。どこでもこれが可能とは言えませんが、チリの豚肉生産の重要な箇所ではこの方式がとられています。
安全面がしっかりしてない“裏庭”養豚、訓練を積んだプロがいないところ、誰がどのように行っているかわからないような売買、何を食べさせているかわからないようなところ、国境沿いなどといった場所こそその地域の人を知っている人間によるアクティブサーベイランスが必要になります。そして症候群サーベイランスと組み合わせて行うことが必要なのです。」

「サーベイランスにおいて双方を組み合わせることはアクティブ、パッシブ両方を意味します。アクティブサーベイランスは誰かが問題を隠してしまう前に危険を先取りしていくことを指します。何が危険となる病原体かを特定し、我々の訪問を促し、サンプル採取を求めることを指します。一方、バイオセキュリティの低いところや国境沿い、家族経営におけるアクティブサーベイランスの場合は、通常すでに家畜は死んでしまっており、きて欲しいと連絡があっても現場に行くことはできません」と彼は説明する。