学ぶことの多かった1年を超え、2021年、チリポークは何を目指すか ―チリカルネ(チリ食肉生産者協会)ホアン・カルロス・ドミンゲス会長からご挨拶
2020年は失われた1年、思い出したくもない1年だという人もいますが、本当にそうでしょうか。 困難な年だったことは間違いないでしょう。何十年もこんな状況に陥ったことはなかったと思います。少なくとも40年ほどの間はおおむね […]
2020年は失われた1年、思い出したくもない1年だという人もいますが、本当にそうでしょうか。
困難な年だったことは間違いないでしょう。何十年もこんな状況に陥ったことはなかったと思います。少なくとも40年ほどの間はおおむね(チリは常に色々なことがある国なので)穏やかだったと言えると思います。
チリでは2020年3月に最初の新型コロナウィルス陽性者が確認され、そこからは大きな課題に立ち向かう期間となりました。2021年も引き続きこの状況は続くでしょう。多くの人が亡くなり、親しい人や仕事仲間の家族が亡くなるなど、だんだんと他人事ではなく身近な問題となっていき、自分や自分の家族にも起こり得る恐怖に苛まれそれを避けるために努力する2020年だった気がします。
それでも乗り越えてきた。それが2020年行なってきたことだと思います。家族や仕事場が自分の生活の中心であり、何かあったとき逃げる場所。そしていいことがあった時も、嫌なことがあった時もそれを分かち合える場所だと感じています。
企業にとっては大変な道のりだったでしょう。通常の“労働者と雇用主”という単純な契約を超え、従業員とその家族を守りつつ、さらに科された仕事を継続することで国の成長につなげる、という難しい役割を担うことになりました。
豚肉生産業界はあらゆる困難にかかわらず、運営を維持しなければならないという大きな課題に取り組まなければなりませんでした。豚は24時間365日世話をする必要があります。彼らには夜間外出禁止令や検疫も関係ありません。後に人々が健康で安全に食べるためには毎日餌をやり、世話をする必要があるのです。政府との協力の中、プロトコルと規則をつくり、業界で働く従業員の健康管理を確実に行いながら生産性を維持するという目的のために努力し、それを達成したのです。
これには、これまでの政府当局と業界双方による長年の努力が助けになりました。各国への輸出を果たすために積み上げてきた健康と安全への努力が2020年、大きな助けとなったのです。新型コロナウィルス感染拡大と非常事態宣言に伴い、需要への影響は受けました。ですが、全ての国で同時に起こったわけではなかったため、それほど影響がでていない市場にリダイレクトすることができたわけです。この戦略が功を奏し、2020年、生産、販売を維持できただけでなく、中国の豚価高騰のおかげでチリの食肉輸出は1兆3,650万ドルに達するという結果になりました。
2021年は簡単にはいかないでしょう。後半にはワクチンが生きわたり回復の希望がありますが、2020年同様の状況に陥る可能性が
あり、再度企業の力を試されるような状況を考えておかなければならないでしょう。これに対応するためには今後も常に自分たちで決めている“最高レベルのバイオセキュリティ基準と健康で安全な商品をつくる”という戦略を忠実に遂行する必要があるのです。
今後もチリと世界の消費者の方々に安全な商品を提供し続けるため、政府とも協力体制を維持していきます。各国との経済連携を維持、深化させ、競争力のある商品を届けることができるよう努力をつづけます。チリとチリ国民の発展に寄与するためにも世界クラスの持続可能な食肉生産、そして輸出産業を発展させていくよう努力していきたいと思っております。