新型コロナウィルスと共に終わる2020年– チリの豚肉業界が学んだこと、得たもの

2021年1月14日

前進し続け変化に対応する能力、生産プロセスへの新しい技術の取り込み、チームでの働き方改革、すべての生産プロセスにおいてこれまでに増して世界的に評価されるチリの高い安全・バイオセキュリティ基準に準拠することに力をいれること […]

前進し続け変化に対応する能力、生産プロセスへの新しい技術の取り込み、チームでの働き方改革、すべての生産プロセスにおいてこれまでに増して世界的に評価されるチリの高い安全・バイオセキュリティ基準に準拠することに力をいれることーチリの豚肉輸出企業(AASA、アグロスーパー、マックスアグロ、コエクサ)は2020年、予想もしなかった難しい年をどのように乗り切ったのか。

チリ食肉輸出協会(チリカルネ)はメンバー企業である各社の代表に話を聞いた。AASAの輸出部隊であるコマフリ社のゼネラルマネージャーフェリペ・アラルコン氏、アグロスーパーのゼネラルマネージャーギジェルモ・ディアス・デル・リオ氏、コエクサのプロセスマネージャーセサル・ロドリゲス氏、マックスアグロのゼネラルマネージャーであるパブロ・エスピノサ氏は、不安定な状況が続く中、各企業、各チームがどのようにこの難しい年を乗り越えたのかについて語ってくれた。

最初に四人は働き方がどのように変わったかについて話してくれた。チリの豚肉業界はもとより輸出に向け安全面についてチリ政府の推奨する国際基準を取り入れてきていた。このため、2020年3月、世界的な緊急事態へと発展した際にも健康で安全な製品を日本や韓国に輸出し続けるために最良な方法とるという対応ができたと考えている。
2020年初めに新型コロナウィルス感染拡大後、食品業界は必須と位置付けられ、これまでとは違う方法で迅速に供給に対応をする必要に迫られた。そういった意味ではこの難しい年に新しい雇用を生み出し、国の発展に貢献した数少ない業種とも言える。またEコマースやテレワークなど新しい課題にも迅速かつ効率的に対応しなければならなかった。
AASA、アグロスーパー、コエクサ、マックスアグロの各社は何よりも大切なのは従業員や関係者、各社がある地域のコミュニティ、そして顧客やその他全ての関係者が安全、安心していられることだという点で一致している。マックスアグロのパブロ・エスピノサ氏は「はじめに学んだのは、こういった緊急事態では、通常の専門家としての知識だけでなく、さまざまな業界の見解も考慮に入れた上で最適な決断を下していく必要があるということでした」と話す。「例えば私たちの場合はウィルス学者や心理学者に協力を仰ぎ、心理的な面に対応しました。一方で働き方、行動、さらに考え方において変化に対応する柔軟性が問われました。こういったことが機敏に行われる必要がありました。」と話す。

 

アグロスーパーのギジェルモ・ディアス・デル・リオ氏は「革新と変化への適応能力は2020年、課題に直面するために求められた根本的なものでした。コミュニケーションとテレワークなど新しい働き方が定着するための努力が必要でした。認証までの工程をオンライン化したり、施設間の行き来をバーチャルで行うなど、生産工程でのテクノロジーを駆使しました。」という。
AASAのフェリペ・アラルコン氏は「今回この難しい状況から抜け出すことができたことで学んだのは、他国で何がおこっているのかを観察するということでした。例えば商品のパッケージが汚染されていたというケースがありましたが、これを教訓にし、これまで以上に注意を払い、警戒を行うということにつながりました」と語る。
そしてコエクサのセサル・ロドリゲス氏は「我が社が輸出するマーケットの需要と弊社の持つ認証を踏まえ、全ての生産過程における基盤とバイオセキュリティをあらためて再検証することができました。」と話す。そして、その上でコエクサは取り組みをさらに強化し、安全面をさらに強固なものとするため、新しい方法やテクノロジーをとりいれたという。「顧客、そして従業員に高レベルのバイオセーフティと安全性を保証しています。」と話している。
これを機会に進んだことに関しては、全員がテレワークの実施とEコマースの導入によってより多くの消費者にアクセスできるようになったことをあげた。しかしこれはまた、流通やロジスティックの部分で引き続き課題を残しているという。
マックスアグロのパブロ・エスピノサ氏はこの点について「生産関連の業界にとって、テレワークは全く別世界のことと考えていました。しかし新たな可能性を切り開いていくうちにさまざまな分野でテレワークが可能であることがわかりました。
例えばリモート監査、会議、トレーニング、さらにはビデオ会議で決まった開発などもあります。」と語る。「また、新型コロナウィルスのような難しい課題に直面したことで個々の行動がワークグループに、さらには家族やコミュニティに影響を与えるということを理解し、気づけるようになりました。チームを強化するためには非常に重要で価値あることです。」とも話している。
この点においては、コエクサのセサル・ロドリゲス氏も同意しており、テレワークについて「大きな変化だったが、これに落ち着いた」という。ある意味、パンデミックは生産活動における情報やコミュニケーションのオンライン化を加速させる結果となったと話す。氏はまた、「このパンデミックにより、共同作業やチームでの作業が強化されただけでなく、各チームの多くのメンバーがリーダーシップを取ることができるよう研修を行い、不測の事態が発生した場合には他の者が対応できるようになりました。チームが自信をもち、作業チームへの帰属意識が生まれ、難しく先の予測できない状況の中でも組織に対する責任を促進できるようになったと思います。」と話す。
アグロスーパーのギジェルモ・ディアス・デル・リオ氏は「2020年はサプライチェーンの維持に加えて従業員の健康を守り、プ

ロトコルを強化し、予防策に焦点をあてるというこれまでとは異なる困難と努力の年になりました。そういった意味でコミュニケーションは物理的に離れているチームをまとめるための重要な役割を担っており、今後も発展を続けるための私たち他の大切なツールです」と答えている。
業界レベルでは、新しい病気の侵入に対する考え方に変化がもたらされ、輸出製品に関する脆弱性や世界中の生産チェーンに見られる依存性があきらかになった。オペレーションや、個人レベルにおいても新たしい経験があり、教訓が得られた。常に準備を整え、暖かく人道的な労働空間を提供するためには時間をかけてよりよい状態を維持していくことが大切であると語ってくれた。
AASAのフェリペ・アラルコン氏はインタビューで「これまでも常に従業員と強い絆を築き、助け合ってきました。こういったことはますます大切になるでしょうが、弊社では会社のDNAとしてしっかりと根付いています」と語っている。

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