2022年前期のチリ産豚肉の輸出と年末に向けての世界予測

2022年8月30日

チリ税関のデータによれば、豚肉は、2億,9,189万3,000USドルの取引額で、引き続き、チリ産ホワイトミートの中で主たる輸出品目であるものの、2021年と比べて減少を示している。   2022年1月から6月 […]

チリ税関のデータによれば、豚肉は、2,9,1893,000USドルの取引額で、引き続き、チリ産ホワイトミートの中で主たる輸出品目であるものの、2021年と比べて減少を示している。

 

2022年1月から6月期のチリ税関のデータによると、主に世界レベルでの重要な要因により、豚肉の輸出は減少を示している。そうした要因は、直接的、間接的に、チリおよび世界の豚肉産業の生産コストや安定性、予測に影響を及ぼした。

 

チリ税関の記録によれば、豚肉生産業は、枝肉重量で193,000トンを輸出したが、これは、2021年に比べると数量ベースで17%の減少となっている。金額ベースでは2億,9,000万USドルを越える金額だが、2021年と比べると、2022年はこれまでのところ、37%の減少である。中国、韓国、日本が、引き続き、チリ産豚肉の主な輸出先であり、総輸出額の76%を占めている。

 

ラボバンクの分析と予測

 ラボバンクの予測によれば、世界の豚肉の輸出は、14%減少すると予測されている。価格の上昇は、理由は異なるものの、いろんな大陸で起こっている。米国では、生産の減少による記録的な価格が、コストの上昇を埋め合わせるのに役立っている。また、生産者は、堅調な豚肉市場と飼料コストが低めであるお蔭で、引き続き、収益を上げている。ヨーロッパでは、供給が縮小し、生産が、ブラジル同様、2%減少するに従い、価格が上昇している。しかしながら、中国への輸出量が引き続き低いレベルであることから、輸出先は多様化した。中国では、価格は引き続き上昇するだろう。しかし、輸入は減少し、生産は、2022年、ほぼ2%増加すると予想される。日本では、価格の高さが消費の鈍化を招いているが、輸入の増加は続き、生産は引き続き安定している。東南アジアでは、好ましい輸入政策の変更が行われる。一方、新型コロナとASF(アフリカ豚熱)がマーケットに悪影響を与えている。

一方、いくつかのマーケットで豚の飼料のための資材価格が低下したものの、2022年の間は、価格は、比較的高く維持されるであろうことが予想されるとラボバンクは指摘している。これは、生産者への負荷がある程度緩和されることを示している。しかし、穀物や油糧種子の価格が変動しやすいため、追加的なリスクと管理の問題をもたらすことになるだろう。

今の現実と今後起こり得るシナリオを分析する際、チリ食肉輸出協会チリカルネ会長のフアン・カルロス・ドミンゲスは、「豚肉業界として、絶え間ない世界の変化に対応することの重要性を理解していますし、もっとも重要なマーケットにおいて私たちの各製品を強化する戦略や提携を生み出すことを模索しています。私たちは、貿易、政治、健康における世界レベルでの逆風を最善の方法で避けながら、早期に豚肉の輸出データが改善するよう努めています」と述べている。

ラボバンクのすべての予測については、こちらをご覧ください:

https://research.rabobank.com/far/en/sectors/animal-protein/pork-quarterly-q3-2022.html

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