チリ産ホワイトミートの輸出にとって、TPP11発効のメリットとチャンス

2023年2月24日

生産性や競争力の面で、この貿易協定発効には、様々なメリットがある。具体的には、関税障壁の引き下げ、より迅速で機敏な輸出業務、さらに、加盟国における技術促進が挙げられる。特にチリ産豚肉の輸出については、TPP11では、日本 […]

生産性や競争力の面で、この貿易協定発効には、様々なメリットがある。具体的には、関税障壁の引き下げ、より迅速で機敏な輸出業務、さらに、加盟国における技術促進が挙げられる。特にチリ産豚肉の輸出については、TPP11では、日本向けに特恵関税が適用される。既にチリの競合国が享受していた恩恵である。

「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(英語のイニシャルをとってCPTPP、通称TPP11)は、アジア・太平洋地域における多国間経済統合協定である。チリは2018年に署名し、ほぼ5年後の2月21日(火)に発効した。これにより、チリは、この協定の10か国目の完全加盟国となった。既に署名している国々は、オーストラリア、ブルネイ・ダルサラーム、カナダ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムである。

世界で三番目に大きなこの自由貿易協定は、アジア・太平洋地域の11か国に関税の引き下げを定めるものであるが、それに加えて、労働、ジェンダー、環境の分野における改善も含まれている。この協定の批准によって、チャンスが生まれることになる。というのも、既に海外の大きな市場に輸出しているチリの製品が、今後、競合国に対して、より競争力をもって対抗できるからである。

ホワイトミート、特に豚肉の輸出の場合、TPP11の発効は、産業全体にとって大きな推進力となるだろう。チリは現在、この製品の世界第7位の輸出国であり、さらにチリにとっては、第4位の輸出食品産業である。それゆえ、生産性や競争力におけるメリットは、かなり大きいだろう。

チリカルネ会長フアン・カルロス・ドミンゲスによれば、そのメリットの中に、「日本向け豚肉への特恵関税の適用が含まれます。これは、既に協定を署名し、日本市場でチリの直接的な競合国となっているカナダやメキシコといった国々がすでに受けている恩恵です。それに加えて、米国やEU(ヨーロッパ連合)は、日本向け豚肉にTPPが定めるのと同じ条件で、すでに協定を結んでいます。従って、この協定の発効により、チリは、日本市場において対等の条件で競争できるようになるのです。チリは現在、日本にとって第6位の豚肉供給国であり、チリを上回るのは、米国、カナダ、スペイン、メキシコ、デンマークだけです。」

特筆すべきは、日本が、チリの生産者にとって、第3位の豚肉輸出先国であることだ。2022年には、チリ産豚肉輸出総額の18%を占める1億1,800万ドルが輸出された。2023年には、輸出を10%増に回復させ、1億3,000万ドルに達することが期待される。この目標のために、TPP11の発効は、豚肉産業にとって戦略的な役割を果たすことになるだろう。こうした数字だけを見ても、ホワイトミートの生産・輸出業者にとって、また、国の発展にとって、この協定がいかに重要かというのが分かる。

TPP11の発効により、国際経済関係次官官房(Subrei)は、原産地規則と関税引き下げのスケジュールを履行すれば、2,930の関税品目が関税の追加削減を得て、特恵関税により輸出することができるだろうと予測している。同様に、TPP11は、より機敏で迅速な輸出を実現することになるはずであり、アジア・太平洋地域の国々とチリとの貿易が増加し、併せて、通商規則も現状に沿ったものに見直されることになるだろう。

「日本について指摘したことに加えて、ベトナム市場については、二国間協定で2029年に関税を0%にすると既に合意されていた段階的関税撤廃期間が短縮されることになりました。TPPでは、2024年に0%になります。家禽肉の場合、日本とベトナムで関税引き下げと段階的関税撤廃となります。カナダについては、関税ゼロの割り当て制で輸出できることになり、6年間で毎年輸出可能量が増えていきます」と、チリカルネ会長は付け加えた。

「市場の開放と維持について、私たちは、チリ産豚肉が数年前から既に販売されている各市場で、私たちの産業に対するTPP発効の意味を広く知ってもらうため、Subreiと調整しながら共同アクションの実施に取り組みたいと考えています」と、フアン・カルロス・ドミンゲスは締めくくった。

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