ラボバンクは、2025年について、家禽産業で3%の成長、養豚産業で0.1%の回復と予測している

2025年1月22日

世界の食肉市場についてこの金融機関が最近公表した報告書では、鶏肉が3%までの増加で成長をリードする一方、豚肉は、世界の複雑な状況のため、0.1%のわずかな回復に留まるだろうと予想している。   世界における食肉 […]

世界の食肉市場についてこの金融機関が最近公表した報告書では、鶏肉が3%までの増加で成長をリードする一方、豚肉は、世界の複雑な状況のため、0.1%のわずかな回復に留まるだろうと予想している。

 

世界における食肉取引の分析で主要な参考資料となるラボバンクの最近の報告書は、豚肉・家禽肉セクターが直面するチャンスと課題について浮き彫りにしながら、これらのセクターの2025年の見通しについて詳細な見解を示している。

 

予測によれば、鶏肉は、およそ2.5%~3%の伸びに促され、より活発な動きを見せる食肉として、引き続き際立つだろうとしている。この進展は、この食肉が手頃に入手できることに後押しされている。これは、消費者の購買力を制限する世界的な経済圧力の中においては、決定的な要因である。

 

家禽肉セクターはまた、消費者がより環境ダメージの低い食肉を好むようになってきていることに恩恵を受けている。先進国市場では、持続可能性のニーズが主役の座を獲得しつつあり、鶏肉は、よりカーボンフットプリントが低いために、他のオプションに比べて勢力を拡大している。一方、東南アジアや中南米、中東、アフリカといった新興国市場では、需要は、人口増加、可処分所得の増加、より手ごろに入手できる食品への消費パターンの変化といった要因に促されている。

 

ラボバンクは、鶏肉が堅調な増加の勢いを保つものの、鳥インフルエンザが、同産業にとって重要な課題であり続けていると説明している。この病気は、いくつかの地域の生産に大きな打撃を与え、グローバルなストックを少なくし、貿易の流れに中断を招いた。欧州や北米は、生産および輸出においてリーダーではあるものの、これらの要因から派生した制限に直面しており、このことが、予想された伸びを抑えることになるかもしれない。こうした困難にもかかわらず、家禽肉産業の操業コストは、北米やブラジルのとうもろこしや大豆などの主要資材の供給が豊富なお蔭で、比較的安定すると予想される。

 

養豚産業については、展望は、より控えめなものとなる。アフリカ豚熱による数年間の縮小の後、2025年は、世界で0.1%の伸び示し、わずかな回復となることが予想されている。この増加は、控えめながら、まだ構造的かつ衛生的な課題に直面しているセクターにとっては重要な進展を意味する。豚肉の世界最大の生産・消費国である中国は、2024年のマイナス実績の後、この回復をリードすることになるだろう。中国におけるこの反転は、経済的および地政学的要因により生産が1%減少すると予測されるブラジルのような国々に予想されている縮小とは対照的である。

 

ラボバンクによれば、貿易摩擦や政府の政策が、食肉の貿易を改編しているとしている。関税や貿易制限といった保護主義的政策の増加は、市場に不安定性を与え、一定の主要輸出先国へのアクセスを制限する可能性がある。インフレ圧力は低減したものの、展望は引き続き不確実で、いずれの政策変更も、需要や輸出の競争力に影響を及ぼし得るだろう。

 

報告書で強調されている別の側面は、両方のセクターにおけるバイオセキュリティとサステナビリティの極めて重要な役割である。家禽産業は、AI(人工知能)や改善されたワクチン、先進的な遺伝学といった先端技術の採用により、衛生リスクの管理において、大幅に前進した。これらのツールは、鳥インフルエンザの影響を緩和し、生産の安定性を保証するために基本的なことである。

 

豚肉セクターの場合には、アフリカ豚熱は、引き続き、絶え間ない懸念材料となっており、生産者は、その影響を低減し、将来の発生を予防するために技術的ソリューションに投資をしている。

 

持続可能性の観点からは、両産業は、環境フットプリントを減らすための規制や消費者からの圧力の増加に直面している。鶏肉の場合、その他の食肉に比べて環境への負荷が少ないことが、特に、環境への配慮が優先される先進国市場においては、競争力のある利点となっている。しかしながら、こうした期待に応えるには、新興テクノロジーやトレーサビリティ・システム、持続可能な農業実践への大きな投資が必要とされ、輸出業者にとっては、操業コストと複雑さが増すことになる。

 

2025年の見通しについて、持続可能性、競争力、地政学的変化への対応のバランスが、全世界における両産業の前向きな勢いを保つために不可欠だろう。食肉の世界貿易は、課題に直面するとしても、輸出経済の主要な原動力であり続け、将来の課題に対応する革新的でレジリエントな戦略の重要性が際立つことになる。

 

ラボバンクの豚肉(cerdo)と家禽肉(aves)の報告書をご覧ください。

 

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