SAG新任局長は、自らの組織運営において、バイオセキュリティ、民間部門との協力、そして、環境持続可能性を強調している

2023年9月15日

農業牧畜庁(SAG)の新任局長ホセ・グアハルド・レジェスは、チリポークに、自らの戦略的ビジョンと新たな組織運営において直面する課題について語った。このセクターにおける幅広い経験により、現在の衛生面での課題を解決すると共に […]

農業牧畜庁(SAG)の新任局長ホセ・グアハルド・レジェスは、チリポークに、自らの戦略的ビジョンと新たな組織運営において直面する課題について語った。このセクターにおける幅広い経験により、現在の衛生面での課題を解決すると共に、民間部門との協力を強化したいとしている。世界が持続可能性へと向かう中、環境保護は、自身が組織を率いる中で、主要な柱となっている。同時に、鳥インフルエンザのような病気に代表される脅威を脇に置くことなく、バイオセキュリティや食品安全性を強化することを目指すとしている。以下のインタビューは、同局長のいくつかの提案、ビジョン、そして、求めたいとするSAG、業界、国の福祉との間のコミットメントについて焦点を当てている。

  • 農牧畜セクターにおけるあなたの経験から、あなたがSAGを運営するにあたり目指している主な目標は何ですか?

主に、生産システムの衛生面におけるいくつかの問題を解決することです。幸運にも、そのために必要な農林牧畜セクターだけでなく、公的部門でのかなりの経験を持っています。これにより、いくつかのプロセスを結論へ導くことができるように、少し事態を進展させていくことができると考えています。この中には、家禽および牛のそれぞれの分野で、鳥インフルエンザがもたらした問題を解決すると共に、牛のブルセラ症を撲滅することが含まれます。私は、そうしたところでは、私の経験が違いをもたらす要因となり得ると思います。

さらに、私ならではの特徴の一つとしたいのは、集団作業、つまり、SAGのすべての専門職員や技術者、事務官と一緒に取り組むことです。私たちは、5,000名以上です。そのため、いかに仕事をすべきか、私たちがなすべき任務を上手く遂行できるために必要なあらゆるパーツをどのように合わせるべきかを知っています。私は、私の大きな特徴は、スタッフ全員で一緒に目標を達成することだと思います。

  • 牧畜セクターについてですが、どのように民間部門と共同で取り組みたいと考えていますか?また、それはどのような分野でしょうか?

民間部門は欠かせません。すでに、各民間部門とそれぞれ面談をしましたし、今週と来週、引き続き面談をする予定です。なぜなら、生産について最も分かっているのは、民間部門だからです。

私たちは、植物衛生および動物衛生の保護に気を配ります。それは、生産プロセスにとって不可欠です。我が国は、他の中南米諸国や他の世界の国々に対して競争力のある利点を持っていますが、それにはしっかりと気を配らなければなりません。民間部門は、そうした利点を活用しますが、また同時に、今ある衛生条件を失わないよう、非常に協力的に取り組んでいます。

生産においては、民間部門は、気を配り、注意しなければならない具体的かつ極めて個別的なテーマについて非常に近くで確認をすることにより、私たちをサポートし、協力してくれます。本当に、私は、民間部門と共に仕事をするにあたって、何ら難しさを感じていません。民間部門も同様だと思います。何年も前、オイギンス州における省の地方局長として赴任した時からお互い知っています。そこでは、共同で取り組めば、とても上手く双方の目標を実現するに至ることができるというのを示すことができました。

  • バイオセキュリティと食品安全性は、豚肉、鶏肉、七面鳥肉といったホワイトミートの生産と輸出にとって不可欠な2つのファクターです。どのようにそれらに取り組みたいと考えていますか?

私が農業省の局長だった時に、食品安全性のテーマについて取り組む機会がありました。それは、基本的なテーマです。我が国の大統領ガブリエル・ボリックはそう指摘していますし、農業大臣のエステバン・バレンスエラも同様です。私たちは、食品安全性、および、主権に関しても、重要なテーマとして位置づけました。我が国の遺産、我々が持っているもの、我が国の生産、価値、生産方法を心得ている人々も含め、どのような方法で守るかについてです。

そのようにして、食品安全性は、政府として我々が取り組む明確なテーマとなりました。そして、そのためには、バイオセキュリティの分野で具体的な取組をすることが必要なのです。その段階を履行しなければ、安全性は得られません。それゆえ、少し前に、牧畜施設のバイオセキュリティ・システムを創設する決定を公布しました。これは私たちにとって、大きな成果であり、植物衛生および動物衛生の保護におけるあらゆる作業を具体化していくことのできる大きな進展です。私は、羅針盤の針をほんの少し動かすものは、こうした具体的な事実だと思います。変化を生み出すものとは、物事を実行することです。

特に今、あなたが私にホワイトミートについて尋ねられたように、家禽の分野で、少し前に、家禽生産規格の取り組みを始めました。これは、民間部門が非常に重視していたことでした。先ほどお話していたように、規格を通して、何らかの疫病に罹患したり、それを感染させる可能性を避けるため、“要件レベルを上げましょう”、“規格の基準を高くしましょう”と私たちにいうのは、民間部門なのです。鳥インフルエンザの問題で、違いを生むのは、バイオセキュリティです。

国として私たちは、強力に取り組みを推進してきましたし、SAGは、渡り鳥を捕獲し、それら渡り鳥と死んでいきつつあった哺乳動物も地中に埋めるなど、それらに関わるすべての作業を精力的に行いました。多額の資金が投じられました。大蔵省に資金を要請し、大統領は、野生の分野でのバイオセキュリティの要素でこの病気を制御、管理することができるようにすることを目的として、機材や車両、人員を契約するために140億ペソの予算を投じることにしたのです。

また、裏庭飼育の分野でも、多くのサポートを提供しながらIndapと、そして地方政府と共に、いろんな活動において取り組みを行ってきました。しかし、飼育場の安全性において強力に作業を進めるのは民間部門であり、それによって、共同の取り組みが実を結ぶのです。

  • 農牧畜生産のニーズと環境保護の必要性および気候変動アジェンダ関連の目標とのバランスを取るために、どのような戦略を実施するよう考えていますか?

現在、世界は、環境に配慮する、また、私たちの周囲の環境や社会的遺産を大切にすることが当然のこととされています。そして既に、環境システムに、さらにもっとストレスをかけるような生産は考えられません。たとえその環境システムが、非常に生産的であるとしてもです。私たちは、いかに世界が高品質な製品や安価な製品を求めているだけでなく、今は、もう少し多くのお金を払っても、国土の環境状態に配慮しながら生産されたと認証される製品を好んでいるのかを目の当たりにしています。

SAGとしては、既に内部の作業を推し進めました。そして、この時期の課題の一つは、気候変動の要素を組み込むこととしています。今では、自然資源部門を設置することになり、環境に配慮した新たな生産システムが生み出すだろうニーズやあらゆる課題に答えを出し得る気候変動ユニットとして既に業務を行っています。

  • 来年の鳥インフルエンザへの対応策が既に計画されているなら、家禽産業でこの病気を予防し、制御するために取る戦略やアクションについて詳しく話してもらえますか?

これについては、私たちは既に経験があります。昨年、私たちに驚きはありませんでした。私は既に農業省の局長でしたし、まさしくここから、SAGの事務所から、鳥インフルエンザが北半球で与えていた影響について、そして、話に出ていた高い病原性がいかに深刻な状況をもたらしていたかについての報告を受けました。昨年の半ばから、チリで最初のケースが発生した12月まで、私たちは準備をする時間がありました。そして、その時から、多くの情報を収集し、多くのことを学び続けてきました。

1週間前、全国の各州の代表者を集めて、内部でワークショップを実施しました。そこで、ウイルスと直接接した9か月間の作業のすべてについてまとめと評価を行いました。そこから、私たちは将来訪れることについて考え、不可抗力に対し準備をすることを始めました。渡り鳥が夏に再び到来することは分かっていますし、ウイルスがどのような行動をとり、この新たなシーズンにどのように行動するかについて十分な前例があります。

私たちは、WOAH(世界動物保健機関)やFAO(国連食糧農業機関)、ラテンアメリカ農業協力研究所といった国際機関と連絡をとり、他の国々でこの問題がどのように広がっているかをチェックしています。それにより、今年既にしっかり準備ができていましたが、新たなシーズンの到来に向けて、さらに良い準備を進めています。他の国々に比べて、我が国は、前へと進む時間がありましたので、組織のためにしっかりと汗をかく、驚くほど職務を全うしようとする私たちの全てのスタッフの羨むべき仕事、素晴らしい仕事が行われたと思います。

  • チリの業界が準備を整えられるよう、鳥インフルエンザ、もしくは、アフリカ豚熱の今後あり得る脅威に立ち向かうため、他の国内外の機関とどのように連携していくつもりですか?

私たちは、非常に強力な国際部門を持っていますし、幸運にも、動物に関しては、常設獣医委員会と直接つながりを持つ極めて高いレベルの専門職員を持っています。そこに、私たちの部門長であるカルロス・オレジャナがいます。彼は国際的にも知られており、この分野のあらゆる討議、あらゆる会議における中心人物です。従って、幸運にも、国際機関と極めて良好な関係を保っていて、恒常的に情報も届きます。また私も貢献することができます。私は獣医師で、何年も家禽分野で仕事をしていたので、素早く理解することができ、状況に対する感度にも優れています。それゆえ、この時期、極めて複雑なこの病気の制御のために速やかに、また、上手く前へと進むことができるでしょう。

伝えたいメッセージは、私たちはチームとして、共に作業をしているということを理解しようということです。つまり、民間部門に影響を及ぼすことは、公的部門に影響を及ぼします。公的部門に影響を及ぼすことは、民間部門に影響を及ぼすことになるのです。唯一国の利益だけを考え、そして、業界がうまく行けば、そして、SAGがうまく行けば、国全体も、労働者も、そして、環境もうまく行くと考えて、率直かつ明解、公正に仕事をするためにあらゆる手助けをすることです。そして、それぞれの部門において最も誠実に仕事をすることに責任を持って取り組むことです。

Compartir